カワニナは淡水に生息する巻貝で、水の綺麗なところが好みです。
数十年前までは田舎では普通に見られましたが、最近では、随分と生息数が減っていると思われます。その理由は、農薬散布による死滅や冬場に用水を流さなくなったことなどによるものと推測されます。
カワニナは源氏蛍の幼虫の餌になります。源氏蛍は大型で、カワニナの住むような綺麗な水が流れるところでないと見られません。小型の平家蛍は、田んぼの中に住むサカマキガイなどを餌にするために田んぼの環境が良いところでないと生息できないのです。
また、源氏蛍の幼虫が羽化するときには、這い上がることのできる草などがないと羽化できないので、このことも重要です。
昆虫の世界でさえも、生きることにはとても困難を伴うのです。
ましてや、浮世の殺伐となりがちな環境に生きなければならない人間には、様々な試練が待ち受けています。
しかしながら試練の後には喜びがあります。喜びに繋がるように、努力しなければなりません。
今、東京の原宿に来ています。
土も清流も見えない大都会の喫茶店の二階から行き交う人々を眺めながら、過日、写真を撮った兵庫県豊岡市の山間の風景を一人思い出しています。
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